ニュースレター :: Vol.14 小田原市第四地区地域包括支援センターを訪ねて

2007年3月20日

 一市三町の地域包括支援センターのインタビュー、今回は3月1日に小田原第四地区地域包括支援センターにお伺いしました。
 老人保健施設わかばさんの一角に設けられた広々としたセンター事務所で、市川さん(社会福祉士)、小松田さん(看護師)、田中さん(主任ケアマネジャー)にお話をお聞きすることができました。
 チームワークを大切にされているこちらのセンター。お話の中でもお互いを認め合い、力を出し合う姿勢を感じることができました。お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。


『適材適所でお互いの強みを生かしたい!』


−まずはじめに、こちらの担当地域の特色をお聞かせください。

小松田さん(以下、小)
「さまざまな生活環境の方々が住んでいらっしゃる地域です。古くからの農業地域で、お年よりのお世話はお嫁さんが主体になってされるというところ、市街地で利用できるサービスはどんどん使っていこうというところ、高齢者の独居が多い地域などさまざまです。今度、この地域に13階建ての高齢者マンションができるということで、そこの入居者はどんな様子なのかな、と今話しをしているところなんですよ。」

−4月からスタートしたセンターですが、他のお仕事や担当からセンターの職員になられて、前職と違う点はなんでしょうか?

市川さん(以下、市)
「以前は、まったく畑ちがいの建築設計の仕事をしていました。そこで、住宅改修の担当をして、もっと福祉のことを深く知りたくなり、社会福祉士の資格を取ったんです。高齢者の財産や権利を守っていきたい、そういう思いがありました。実際にこちらで仕事をはじめると、何をやっても初めてのことばかり。今はお二人におしえていただききながら、ただがむしゃらに走っている感じです。」
「私は、病院で看護師をし、そのあと老人保健施設の入所の仕事をしていました。社会福祉士とケアマネジャーの勉強だけはしていますが、実務経験は看護師だけなのです。別の視点を持てるということは、今の仕事の役に立っています。」
田中さん(以下、田)
「小松田さんが三職種の視点を持っていてくださることは、とても心強いです。一つのケースをいろんな側面から見ることはとても大切だと感じています。また、市川さんは、福祉の現場に入ってまだピュアな状態なので、彼女の意見を聞いて「あっ、そういう視点もあったのか!」とあたらめて思うことがよくあります。長く福祉の仕事をしていると、見えなくなっていることってあるんですよね。」

−スタートしてもうすぐ一年になりますが、改善していきたいと思っていることはありますか?

「いろいろありますね(笑)。その中でも最近よく感じることなのですが、ご利用者さんの中で、要支援と要介護をいったりきたりされる方あるのですが、そのたびにケアプランを担当する人が変わることで混乱がおこってしまいます。これを少しでも緩和できないものか、と思っています。あとは、事業所さんの予防についての理解にばらつきがあることですね。それぞれ事情もおありだと思いますが、その場合には個別に説明したり対応させていただいています。」

−そういう中で、大切にされていることは何でしょうか?

「ご利用者さんの『自己実現の“きっかけ”を聞き出そう』というのが当初からのコンセプトです。それぞれのケースの中にあるどんな小さな“きっかけ”でもいいから一緒に見つけて、それを喜びや楽しみにつなげてもらえたらいいなと。」
「実際のケースでも、ほとんど外に出ない方だったのが、シルバーカーを使い始めるとそれがすごく気に入られて、今では週に2回ヘルパーと外出するようになったことがありました。顔つきが全然違うんですよね。そういううれしそうな顔を見たとき、やっててよかったなと思います。」
「介護予防になって、ヘルパーの訪問の回数が減り、必要にせまられて自分でできるようになるケースもあります。でも、逆にがんばりすぎて、つらくなることも。“ヘルパーが来てくれなくなる”“ナースが来てくれなくなる”ということが、精神的にすごくダメージにつながることもあります。本当にお一人お一人違うので、そのあたりは難しいところでもあり、慎重にすすめていかなくてはいけないなと思っています。」  

−担当されている数が多く1回あたりの対応時間が短いと思うのですが、スムーズに進めていくコツがあればおしえてください。

「スピードアップを図るためにも、ご利用者さんの安心感や満足度を得るためにも、当センターでは“情報の共有”を常に心がけています。電話が入ったとき、担当者がいなくてわからないというのではなく、だれが出ても対応ができるようにしておきたいと思っています。その電話が今後の動きに大きく関わってくる重要な一本になることもあるので。そのためにも、ことあるごとによく3人で話をしていますね。その時間がとても大切だと思っています。」  
「3人それぞれ視点が違うので、それぞれの強みを生かして意見を持ち寄って、3人で一つの輪を作っていこうと思っています。それをうちのセンターの強みにしていきたいですね。」  

−来年度は、どんなことをやっていきたいと思っておられますか?

「社会福祉士本来の分野である“権利擁護”や“ネットワーク作り”の視点から、『社会資源マップ』を作りたいなと考えています。地域のみなさんが何か行動をおこすときに、どこに相談に行けばいいか、どこで手続きをすればいいかがわかるようなものです。みなさんが安心して生活していけるようなお手伝いの一歩としてやっていければと考えています。」  
「民生委員の方々とは、ずいぶん近い関係作りができてきました。それを生かして『見守りマップ』の構想もあります。独居の方のお住まいをマップにしたもので、そうすることによって、地域全体として見守り体制を作っていくことにつなげていきたいと思っています。ただ、個人情報の保護の問題など、今後解決しないといけない課題もあるので、慎重に進めていく予定です。」  
「今年度は、ケアプランに追われていたのが実情です。市内の地域包括支援センターの足並みもある程度そろえつつ、独自性も出していきたい・・・となかなか難しい面もありますが、ケアネットOHMYのような既存のネットワークにも協力をお願いしたり、行政にも働きかけながら、少しずつでも前進していきたいです。」  

−では、最後にケアネットOHMYの会員のみなさんへ一言お願いします。

「まだまだ工夫していく点は多いのですが、センターとして、3職種みんなで適材適所、機動力を持って動いて、少しずつでもケアマネさんの支援をさせていただければと思っています。よろしくお願いします。」  


− みなさん、お忙しい中ご協力ありがとうございました。